ニャ菓子怪談9
こんにちはショショウです。
さぁいよいよニャ菓子怪談の本番です。今回は心霊要素100%に加え、猫要素も100%です。
では、早速いきましょう。
「猫に連れていかれる」
これは私が学生の頃のお話です。あの日も今のような夏真っ只中でした。私は部活の夏合宿ということで遠征。この合宿は5校が同時に参加するという部員100人以上の超大規模なもので、各学校に顔見知りがいた私はテンションが上がっていました。
もちろん練習内容は合宿という事もあり、一言で言えば地獄。ですが、練習が終わり夕食を済ますと楽しい自由時間が待ってるわけです。こういう場所での定番というとやはり怪談ですね。他校の先輩がいつも怖い怪談を話してくれるので待ってましたと言わんばかりに皆集まります。
この日に先輩が話したのはまさしく今自分がいる合宿所での怪談だった。怖いけど気になってしょうがないので皆怖がりながらも聞いちゃうもんです。どうやら体育館では怪奇現象があるという話のようだ。実際思った程怖い内容ではなかった。「猫の呪いがあるみたいなんだよ」という普段ものすごく怖い話をするその先輩の話にしてはインパクトがイマイチなかった。
そんなこんなで夜8時ぐらいに。
するとそこの合宿所の管理人さんが現れ、挨拶やら注意事項等の話が始まった。楽しい時間が割かれるため皆早く終わらないかなという感じでした。
「えー…では最後のお話になりますが…」
あーやっと終わるわ…長かったなーという空気に
「夜は絶対体育館に行かないようにしてください」
とかなり念を押された。
この瞬間、先輩の怖い話を聞いた人たちはざわついた。そりゃそうです。さっき体育館についての怪談を聞いたわけですから。こうなると皆行きたくなっちゃうものです。案の定、さっき怪談を聞いた人たち全員で行く事になった。人数は20人ぐらいいたと思います。これだけ大人数で行くと全く怖くない。皆で談笑しながら向かいました。
体育館に到着
ただでさえ広い体育館なので電気が付いていないと真っ暗で何とも言えない重圧が押し寄せてくる。この時ばかりは誰も喋らなかった。すると先輩が「まぁこんなもんだ。お化け屋敷じゃないし行って何か必ず起こるわけでもないだろ」と言った。私も含め全員がこの言葉に妙に納得した。
「じゃあ戻るか」
という先輩の言葉で全員引き返す。だが、一人だけ引き返そうとしない。耳を澄まして何かを聞いているようでした。するとその人が「赤ちゃんの声聞こえないっすか?」となんとも気味の悪い事を言う。結局全員また戻り全員で耳を澄ます。
確かに聞こえた。かなり遠い所から聞こえるようだ。誰かが懐中電灯で照らす。すると予想外の出来事が起きた。私達からたった3メートルぐらいの場所に猫が座っていたんです。
「なんだよ猫じゃん」
と全員ホッとした。赤ちゃんの声と思っていたのは猫の声だったようです。しかし、ホッとできたのはほんの一瞬。
猫の様子がおかしい。
まるで招き猫のように手で「おいでおいで」をしている感じだった。ずっとこの動きをしているので全員少し青ざめた。
「この猫なんか気持ち悪い…」
誰かがこう言った。その直後、今自分がすごくやばい事になっていると誰もが思うような現実を目の当たりにしました。初めは暗くてわからなかったが目が慣れてきた時にその存在が姿を現す。
暗闇の中で無数に何かが動いている。
全て猫の手だった。体は見えない。だが、明らかにすべての手が「おいでおいで」をしている。これはその場にいる全員が目撃した。誰も叫ぶことが出来なかった。恐怖で声が出ないのです。体だけ必死に動かしてただただ全速力でそこから離れた。
元の場所に戻ると各学校のコーチが鬼の形相で私達を睨んだ。激怒されるのを覚悟しました。しかし、コーチの口から出た言葉は予想外の言葉だったのだ。
「全員いるか?」
先輩が人数を数える。
「はい。います。」
コーチが安心した表情を浮かべる。そしてコーチどうし顔を見合わせた。
「なら大丈夫だ」
「明日も早いから早く寝ろよ」
その時は怒られずに済んだとかはどうでもよくて、とにかく一刻も早く朝を迎えたかった。怒られたのは翌日になってから、全員ものすごく怒られました。
その時も全員いたから良かった等のキーワードが飛び交った。当然この違和感は全員感じていたと思います。合宿が終わって帰ったらコーチに聞いてみる事に。
コーチに聞くとすぐに教えてくれました。「お前たちが見たのは猫の手だろ?」まさにその通りである。コーチによるとあの猫の手の目撃証言は無数にあるのだとか。どうやら見てしまった事に問題はないようだ。その場から逃げる時に戻ってこない人間がいた時がやばいらしい。
戻ってこなかった人間はどうなるのかというと、精神に異常が出て一生まともに生活を送れないのだとか。相当なショックを受けた事による病気らしい。事実過去に数人、精神がやられてしまった人がいるみたいである。「全員いるか」と確認したのはそのためだそうだ。
何故猫の手なのか
昔ここで大規模な火事があり、ちょうど体育館が建ってる場所で猫がたくさん飼われていたからじゃないかとのこと。このことからかなり恨みが深いのではないかと思う。
今はこの合宿所は取り壊されたようだ。私はあれ以来そこには行っていないが、聞くところによると広い空き地の隅に小さな供養塔が立てられているとのこと。
安らかに眠ってほしいとただ願うばかりです。
完
今回はだいぶ長いお話でした。建物内部で何かがあるという事はそこの土地に何かあったという事になるのでしょう。
個人的な体験談としてはこの出来事が一番怖かったです。
では、最後は癒されて終わりましょう!!一枚猫です。
「よく寝たニャー」
豪快なあくびですね。見ようによっては大爆笑してるように見えるような気がします(笑)
最後までお読みいただきありがとうございます(^^)
それではまた明日!!
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