ニャ菓子怪談5

こんにちはショショウです。

更新が遅くなってしまいました。

皆さんたくさんのコメントをありがとうございます。ニャ菓子怪談へのGOサインを多数の読者様からいただきましたので書いちゃいますよー(笑)

今回のお話で事前に言わなければいけないのが

非常に後味悪いです

何がどう後味悪いのかは文章で説明できませんが、それは今回のお話を読んで感じていただければと思います。

(嫌な前置きだな…)

では、いきます

もちろんノンフィクションです。

 

「住めば都」

私は今では大の猫好きではありますが、一時猫が怖くてしかたなかったのです。もう20年近く前の事になります。当時私は小学校の中学年、まだ物事の良し悪しをイマイチわかっていませんでした。よく怒られたのが落ちている物を拾ってきてしまう事。落ちているネジ、木の棒、ゴム、そのような物を見つけてはよく拾い持ち帰っていました。

そんなある日、学校の帰りに道端で一冊の本を見つけた。表紙には猫のイラスト。キレイではないが読めないような物ではない。私自身も怪しむより好奇心の方が上回っていたのでしょう。その本を持って帰ってしまった。

中身を見てみると意外な事に何も書いていなかった。自由帳みたいに真っ白。「なんだよ」と思い私はその本を机の上に置いた。そして謎の眠気に襲われそのまま眠ってしまった。

ここからは夢の中である。

現実世界と何ら変わらない風景のその夢。私は自分の家の中にいた。ずーっと居間に座ってるだけである。すると玄関の開く音が聞こえた。何かぶつぶつ呟いて何者かが入ってくる。

ギシッギシッ

徐々に近づいてくるその何か。近づいてくるにつれて言葉も少しずつ聞こえてきた・

「す…ば……こ」

ギシッギシッ

「す…ば……やこ」

夢の中でも人間鳥肌が立つものである。次第に私は恐ろしくなった。

ギシッ

音が止まった…

…………………………

「住めば都」

ハッキリとそう聞こえた。夢の中で私は逃げようとしていた。そして、私が窓から逃げ出そうとしたその瞬間、それは姿を現した。驚いた事にあの本のイラストの猫が立っていた。

いや、実際は全くの別物

大きさは20センチぐらいだっただろうか。顔は少し溶けているように見えた。目は飛びてており、ゾンビと言った方がいいだろう。恐ろしかったが私は逃げるのをやめた。

こいつには勝てる。負ける気しない。

何故かそう思ってしまったのである。目の前にあった小さめの椅子を手に取った私。そして、それに向かって思いっきり投げた。

直撃

それは動かなくなった。夢の中で力が抜けた私。助かった…そう思っていた。

だが、また聞こえる

「住めば都、住めば都」

それは何事もなかったようにまた動き始めていた。嘘だろ?と思いさすがに窓から飛び出す。

ここで夢から覚めた。時刻は深夜2時

全身汗でびしょ濡れである。この時私は思った。元の場所に明日戻そうと。

しばらくして再び眠気が訪れる。だが、嫌な予感しかしない。無理やり眠りに誘うようなこの感じ。最初の時と同じだ。頼むからあの夢だけはやめてくれ。そう願うしかなかった。

しかし、私はまたその夢を見た。

まるでさっきの続きからのようなその風景。おぞましいそれも私の目の前にいる。

「スメバ…ミヤ…コオオオォォォ」

さっきとはまるで別の声。いろんな声が何重にも重なって聞こえる。

「もうダメだ…終わった…」

夢の中でもそう思えた。

そんな状態が長い時間続いた気がする。現実世界では俺はもう死んでるのかもしれない。もう戻れないかもしれない。

!?

いきなりノイズ音が耳を突き抜ける。

「ザーッザザザザ」

するとまるでテレビの電源を落としたかのように一面真っ暗。

そして、現実に戻ることができた。何が何だかさっぱりわからない。ただの夢?頭の中で作り出した夢に過ぎない?

あの本を元の場所に戻そう。改めて思った。本を置いた机の所に行った私は驚きの光景を見た。その本はびりびりに破かれていたのだ。そして、その隣には当時飼っていた子犬。どうやらびりびりにしたのはこの子のようだ。

私は助けてもらったのかもしれない。その子は14才まで生き、今は亡くなってしまっているのだが、感謝しなければいけない。

「住めば都」

この意味はよくわからない。死後の世界も住めば都ということなのだろうか?

そしてあの本は何だったのかもよくわからない。誰かが捨てた物というのは確かなのかもしれないが…

一つ言えるのは落ちてる物は拾わない方がいいという事。どんな人が持っていたかもわからない。もちろん生死も。

はい、ということで今回おしまいになります。しばらく私は猫が怖くてしかたなかったのですが、その後子猫たちと出会い、猫の可愛さに魅了されました。

あの夢に出てきたのは猫じゃありません。猫と一緒に暮らしている私だからこそ断言できますね。

この話は当然誰にも信じてもらえませんでした。「どうせ夢でしょ」で片づけられてしまいます。

怖い体験というのは個人のみが感じ、胸に収めておくものもあるのかもしれませんね。ちなみにこの話は今年の夏に書こうと思っていた内容でもあります。

ニャ菓子怪談のリストで恐怖度最高レベルのお話でした。

今回のももちろん全て実話です。

今回はおしまいです。

次回もよろしくお願いします。

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