ニャ菓子怪談10

こんにちはショショウです。

さぁニャ菓子怪談のお時間ですよ!!

今一度、今回のニャ菓子怪談について簡単に説明させていただきます。猫関連以外のニャ菓子怪談を書いてくださいというリクエストを複数いただいたので書かせていただく事になりました。

2話お送りしたいと思います。いずれもトップクラスの恐怖度のお話となっています。ではいきましょう!!

まずは…

 

「漏水調査」

これは私が働いていた会社でのお話です。タイトル通りここの会社では漏水の調査を行います。作業は家を一軒一軒訪問し、漏水があるかどうかを音を聴いて判断します。

ですが、これは日中の作業。この仕事は深夜の時間帯にも行う時があります。水道があるのはもちろん家の中だけではありません。道路にも埋まっています。深夜は道路の水道管の調査です。何故深夜にやらなければいけないのかと申しますと、音で判断するので車がたくさん走る日中では作業が行えないのです。なので車が少なくなる深夜に行います。夜の作業は特殊な機材を使う事になり、ヘッドホンを付けて機械を体の横にぶら下げます。手にスイッチを持ち、長いコードの先に付いたおもりのような物を地面に当てながら一歩ずつ音を聴いて歩いて調べます。

以上の事を踏まえてここからは読んでいただきたいと思います。

とある日の深夜に私はある現場を任された。上司からは誰もやりたがらないから頼むよとだけ伝えられる。地図を確認すると山の横を道路が一本だけあり、最後には山に突き当たる形になっていた。

しかし、正直こんな楽な現場はなかなかない。通常、入り組んだ住宅地の道路等を現場としてやることが多いので同じ道を行ったり来たりすることになる。しかしこの道路は一本だけなので奥まで行って戻ってくるだけで終わりとなる。

私は何故こんな楽な現場を嫌がるのか不思議だったが、引き受ける事にした。しかし、これが恐怖の始まりだった。私はこの現場に出張で訪れていた。土地勘が全くない。それが今回の事態を招いてしまった原因であった。

深夜12時

私は機材を車に乗せ、一人その現場に向かっていた。徐々に建物が少なくなっていく。辺りは街灯も無くなっていき、気が付けば私の運転する車のライトと薄暗い街灯がちらほらある程度だった。

深夜12時半

現場に到着した。民家もなく道路の横には山の木々がずらっと並んでいた。ここで私に変な笑いが出る。

「これの何が怖いんだ?」

失笑と同時にそう独り言をつぶやいた。

ヘッドホンと機材を装着し作業を始める事に。全長約3キロ。決して長い距離ではない。むしろ短いぐらいだ。ただひたすら音を聴きながら歩く。漏水もなければ私がいる場所にも特に変化はない。上司がビビらせるためにあんな事を言ったのかな?そう思い始めていた。

残り数百メートル

時刻は深夜2時になろうとしていた。この時間帯に終わればかなり早い時間に作業が終わる事となる。

残り100メートル

もうすぐ山に突き当たる頃だ。懐中電灯で照らしながら歩いた。すると思いのほか早く山に突き当たった。いや、正確には突き当たってはいなかったのだ。目の前には街灯も何もないトンネルが私の前に立ちはだかった。

(なるほど…そういうことね…)

上司の言っていた事の意味がようやくわかった。確かにこれは誰もやりたがらない。40メートル程トンネルは続いていた。さすがに私もかなりビビった。そのトンネルは廃トンネルだったからである。

だが、仕事魂が私にはあったのだろう。躊躇することなく突き進む。ちゃっちゃとやればすぐ終わる距離だ。入口で入る事を悩むより早く終わらせた方がいい。そう考えた。

中に入ると道路ではなく、むき出しの土になっていた。それ以外の事は何も考えないで一歩一歩進む。しかし、ここで機材に異常な反応が出た。音が入った場合メーターの針が激しく動くのだが、音もないのに針が動いていたのだ。

(なんだよ…壊れたのか?)

と思い機材を確認する。ここでさらにおかしな事に気づく。私は手に持ったスイッチを押していない。地面におもりを当てた時にのみスイッチをONにして音を確認するため、押していない今はOFFの状態のはず。OFFの状態では仮に漏水で音があったとしても針が動く事は絶対ない。

一度電源を落として再起動させる。すると機材は正常に戻った。今思えばよくここまで冷静にいられたと思う。残り10メートル程、このままの勢いで進もうとした。

だが、私を引き返さざるを得ない事態がこの後起きる。歩き始めてすぐである。ヘッドホンから変な音が聞こえてきた。足音である。私は一度歩くのをやめる事にした。

ずさっずさっ…

明らかに自分の足音ではない。誰かこのトンネルの中にいるのか!?いや、そんなわけない!!だって廃トンネルだぞ!?

私は少々パニックになった。だが、こんな時にこそ冷静にだ。取り乱しちゃダメだ。私はその足音がどこからこっちに向かってきているかヘッドホンから判断しようとした。

…………………………

正面!!!

そう判断すると急ぎ引き返し入口に向かった。間違いなくその何かも走ってきた。それも1人じゃない。2人?3人?いや、無数!!

トンネルを出ても私は走り続けた。なんと車を止めた場所まで走っていたのだ。車に乗り込みこの場から少しでも遠くに行こうと思った。だが、エンジンがかからない。有りがちなパターンだが、いざかからないと焦るものである。何をやってもかからない。

「ざけんなよ!!かかれよ!!」

怒りなのか焦りなのかもう訳がわからない。1人でこんなに逆上したのは初めてだ。私が一喝するとエンジンはかかった。とにかく車を走らせる。無我夢中で走らせる。走っている最中も不可解な事は起きたがそんなことはどうでもよかった。今はただ早く朝を迎えたい。それだけしかなかった。会社の拠点に着くと私はそのまま車の中で寝てしまった。

翌日

目覚めは悪いが役所に昨日の作業の報告に向かう。担当の人に昨日の事を話した。

 

「〇〇なんですけど、あそこはどういう所なんです?」

すると

「あそこ行かない方がいいですよ」

という返答があった。

 

「昨日廃トンネルの中まで入っちゃいましてね…」

とさらに私は続ける。

「廃トンネル!?そういうのはないですよ!?」

一体どういう事だ!?

 

「道路が無くて地面が土の廃トンネルだったんですが…」

間違いなくそのトンネルはあった事を伝えた。

すると

「入ったのは…それ…防空壕跡地ですよ…」

もう頭が真っ白になった。廃トンネルと思って私が入ったのは防空壕の跡地だったのだ。行きたくはなかったが明るい時にもう一度近くに行ってみた。暗い時はわからなかったが、とてもトンネルとは言えないものだった。山肌に穴を掘っただけである。とんでもない場所に行ってたのだとこの時実感した。会社に戻ると同僚から意味のわからない事を告げられる。

「右肩外れてません?」

そんなわけない。何を言ってるんだ?だが、その後も病院に行った方がいいとか休んだ方がいいと言われた。そんなに右肩がおかしいのか?私は鏡の前に立ってみた。

確かにおかしかった。ホントに肩が外れているようなとんでもない形をしていた。私は病院に向かったが特に異常はない。そりゃそうだ痛みも何もないのだから。ならばこの肩はどう説明する?上司に相談した。

「お前たぶん憑かれてる」

上司はそう言った。これには私も異論はない。もうそうとしか説明ができないのだ。私はお祓いに行った。祓ってもらう前に私はめちゃくちゃ怒られた。何故そこに行ったのか。何をしてきたのかを問いただされた。一部始終を説明するとようやくわかってもらえた。

お祓い開始

案の定3体憑りついていた。いずれも右肩に集中的に。お祓い終了後、祓ってくれた人は怒ったことを謝った。最初は遊びで行ったのだと思ったらしい。もし遊びで行ってた場合は祓う事は困難だったそうだ。それぐらい強力な者が憑いていた。お祓いとは一つの話し合いだと教えてもらった。憑いてる者がその話し合いに納得しないと離れる事は絶対ないそうだ。離れてくれたという事はわざとそこに入ったわけじゃないと納得してくれたのだろう。

これにてなんとか一件落着である。

そこの会社は…まぁ…辞めました。

 

 

はい、今回の1話目の漏水調査でした。いやーだいぶ長くなってしまった。だいぶボリューミーですねー

まだ前半戦が終わったばかりですが皆さん大丈夫でしょうか???(;・∀・)

私はだいぶ手が疲れて…手が憑かれて!?

(=^・・^=) そういうのはいい

  ㋛   了解

では、2話目いきましょう!!!

1話目よりは短いと思います。

 

「緑色の風船」

これは私が学生の時のお話です。母、妹、私の3人でとある定食屋さんに行きました。この定食屋さんは知る人ぞ知る名店でメニューの全てが神がかった美味しさなのです。街外れの静かな住宅街にそれはある。

この日もワクワクしながらいつものメニューを家族全員注文した。待ってる間は携帯をいじるなりマンガを読むなりそれぞれ好きな事をしていた。ふと私は窓の外を見た。もうすっかり真っ暗で目の前には住宅街の細い路地と電柱、突き当りには線路が見えた。

…………………………

ん?電柱から何か出てる?なんだあれ?紐か何かか?

電柱の裏から何かがヒョロヒョロと出ていた。よくわからないがそれは波のようにうねうね上下に動いていた。

でも今日風なんか吹いてなかったよな?

そう思いながらそれを私はじっと見つめた。だんだん形が見えてきた。紐とかではないようだ。もっと大きい何か。色は青白いような感じでまるで人間の手のような…

!?!?!?

手だ!!あれは人間の腕から下だ!!

とんでもないものを見てしまった。気が付けば料理はもう来ていた。しかし、一気に食欲がなくなってしまった。全然喉を通らない。私は

「今日はもう帰らない?」

と家族に話す。

「え!?やだよ!!」

当然というべき返答だ。

結局最後まで食べて帰る事になった。店を出ると母が私の様子を見て具合が悪いのかと聞いてきた。私は一部始終を話した。早く帰るかと家族全員車に乗り込んだ。

それだけで終われば良かったのだが、本当の恐怖はこれからだった。この時の妹はまだ小さかった。しばらく車を走らせるとその妹が火が付いたように泣き出した。

母はどうしたの?と尋ねると妹は奇妙な事を言い出した。

「緑色の風船!!!緑色の風船!!!」

泣きながらこの言葉だけを叫んでいた。この時、車内に緑色の風船はない。もっと言うならば緑色の物なんて何もない。訳のわからない事を言う妹に母は少し苛立ちを見せる。

「緑色の風船なんてないってば!!」

それでも妹はこの言葉を繰り返す。私は妹の方を見てみた。妹は後ろを見ていて後ろを指さしていた。そして、泣き叫んでいたからわからなかったが緑色の風船の後に何か言っている。

「緑色の風船が…来る…!!」

そう言っていた。しかし、よくよく考えてみると車は走っているのだから風船が来るなんて事はないのである。当時、母が乗っていた車はインプレッサ。大型のリアスポに何か引っかかっているのかと思いサイドミラーで確認したが何もない。

だが、確実に何かそこにいる。いや、追ってきてる。この事態に私も母も恐怖を覚えた。しばらくこの恐怖は続いたが、信号に差し掛かると妹は泣き止み何事もなかったような顔をしていた。どうやらその何かはもういないようだ。

妹に緑色の風船について尋ねてみた。ついさっきの出来事なのに何も覚えていなかった。寝ぼけていた可能性もあるが、なんだか不気味である。家に帰るとすぐに塩をまいた。だが、翌日私はしっかりと熱を出して学校を3日も休んだ。

あれ以来そこの定食屋には行っていない。いや、行けないのだ。またあれが追ってくるかもしれないから…

 

 

はい、2話目でした。この出来事は今でも母と怖かったなと話す事があります。妹は相変わらず何の事かわからないようだ。

美味しい定食屋さんだったのに悔しいな。でも今でもやってるのかな?なんだかんだで10年以上前の話です。

ではでは、ニャ菓子怪談10でした。かなり長い記事になりましたね。最後まで読んでいただきありがとうございます。そしてお疲れさまでした。

私ももうヘロヘロ(;・∀・)

それでは次回もよろしくお願いします。

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