春の恐怖をお届け
こんにちは、ショショウです。
さぁ、とある匂わせをこの前したわけなんですが、本日はニャ菓子怪談です。かなり久しぶりですね。
今回はトップクラス級の怖い話です。
かなりの長編となります。
タイトルは……
深夜の壁ドン
私は10代の頃、外の現場で仕事をする事が多い職業だったのですが、たまに変な噂が昔からあるような場所に行く事もありました。
子どもの霊が出る
あそこに行くと必ず体調を崩す
その他にもいろいろありましたよ。交通事故の死亡現場、自殺があった現場などなど。もちろん私の当時の職業はこういう場所で仕事をするような内容ではありません。全てたまたまそういう場所だったというだけです。運が悪いと言ってしまえばそれまででしょう。しかし、本当に運が悪いと思うのは、その現場を終えた後に変な事が起きてしまった時です。今回のお話はそういう変な事が起きてしまったという内容です。
いわくつきと呼ばれる現場で仕事をする場合はほとんど事前に報告があります。
登場人物
A
Nさん
ショショウ
おいショショウ聞いたか!?今日の現場は子どもの霊が出るで有名らしいぜ!!!
あー急に腹が!!!これは今日仕事出来ねーや!!!
おい、仮病やめろや(笑)
というかなんでそんなにワクワクしてんの?
俺そういう現場初なんだよ。なんかワクワクしね?
しねーよ(笑)
Nさんは役所で昨日の報告してから来るらしいから先に行こうぜ
Nさんはそこの現場がいわくつきって知ってるのか?
さぁ、だけど何回かやってるって聞いたから知ってるんじゃね?
ふーん、じゃあ現場行くから車取ってきて
あーわりー何故か今日自分の車に財布置いてきたから運転無理だわ。免許が手元に無い。
なんで置いてくるんだよ。しょうがねーなー
すまん
いつものどこかくだらない会話のやり取りが繰り広げられる。朝はだいたいこんな元気過ぎるぐらいのテンションである。
現場に向かう。
地図見たんだけどさーいわくつきと言っても住宅地のど真ん中じゃん
普通の公園ぽいよな
ホントにいわくつきなのか?
有名らしいぜ
子どもの霊が出るって…そこで何があったんだ?
遊んでる時の事故らしいぜ
それ自体はそもそもホントの事なのか?
これはホントみたいだな。かなり昔の事みたいだけど新聞にも載ったみたいだ。
どうやらその場所で子どもが遊んでいる時に事故で亡くなったというのは事実のようだった。しかし、そこに子どもの霊が出るというのは悪い噂ぐらいでしかないと私は思った。
現場に到着。
現場は地図通りの住宅地のど真ん中にある公園。しかし、当時は真夏で子どもたちも夏休みの真っ最中であろうはずなのにその公園は静まり返っていた。真夏の天気が良い日なのにどこか暗い感じもした。
おー着いたぞ
ここかー……
なんでこんな静かなんだ?夏休みなんだから誰か遊んでてもいいぐらいだろ
すげーな……セミの声しか聞こえねーよ。なんかここだけ別空間って感じ?
天気が良くて明るいだけに違和感あるよな。
というかさーここまで来るのに人を見たか?
それ俺も思った。こんな住宅地のど真ん中なのに誰もいねーんだよな。
まぁ平日だけどさー
でも普通誰かしらいるだろ?田舎ならまだしも周りはマンションだらけだぜ?
とりあえず作業始めるか。Nさんもそのうち来るだろうからな。
二人ともどこか違和感を感じていた。不思議なぐらいに静まり返った公園と周りに人が全くいない状況で作業が始まる。
ショショウ、Nさん今日はこっちには来ないみたいだぞ?
え!?なんで!?
違う現場でトラブってるみたいだからそっちに行くとさ。
まぁ俺ら二人でも一日あれば余裕で終わるからな。そろそろ昼時か?この辺にラーメン屋あったよな?そこ行こうぜ!!!
Nさんはその日現場に来られなかった。ここでの事をいろいろ聞いてみたかったけど、それを出来ないのは少しモヤモヤした。午前中の作業は特に何もなく昼を迎える。
ところでさー……財布持ってきてないって言ったよな……昼飯どうやって食べるんだ……?
ショショウさんお願いします!!!
は!?おごり!?
いや、戻ったら返すよ。
お待たせしました!!!チャーシュー麺とチャーハン大盛りです!!!!
じゃあお先に!!!うん!!!ここのチャーハン美味いなー!!!
絶対お金返せよな。チャーシュー麺にチャーハン大盛りとかよ……
分かってるって。給料日の次の日ぐらいガッツリ食べたいのよ。
なー……Nさん来ないならお店の人に聞いてみないか?
公園の事?
うん、この辺の人なら詳しいだろ?
まぁそうだけど……でもどうすんだ?俺らが思ってる以上にあそこがヤバかったら……午後の仕事やりたくなくなるぜ……
まぁな……だけど気になってしょうがないんだよ……俺聞いてみていい?
こうなったら覚悟を決めるか……
あ……すいませーん!!!!
僕らあそこの〇〇公園で今仕事してるんですけど、あそこって昔何かあったんですか?
あそこの公園かい?あーかなり昔に子どもが事故で亡くなったみたいだよ。まぁ子どもの霊が出るとか何とか噂はあるけど、私はそんな噂好きじゃないねー……だって今は夏休みでしょ?この辺の子の遊び場で毎日賑わってるのにそんな噂があったらかわいそうだよ。
ん?????
誰もいなかったですけどねー……
そんなわけないさー毎日うるさいぐらい夕方まで賑わってるよ?
・・・・・・・・
あ……あのー……ありがとうございました。
たまたまだろうか?私たちが仕事をしていた午前中には賑やかどころか人っ子一人いない静まり返った状況だったのに。その店主の言葉と全く違う状況に二人ともどこか混乱状態であった。
おいおい……どういう事だ……?全然話が違うじゃん……
賑わってなんかいないよな……
店主さんがあー言うんだから噂は間違いないみたいだけどな。とりあえずもう一回戻ってみようぜ。
・・・・・・・・・
あれ?
二人が再び公園に戻った時には店主さんが言ったように子どもたちで賑わっていた。そこでAは遊んでる子にこんな事を聞いた。
あ、ねぇねぇ君たち。いつからここで遊んでいるの?
え?朝からずっといるよ?今日は遊んじゃダメなの?
いや、そういうわけじゃないんだ……
?????
Aは急いで私を車まで戻した。
おい!!聞いたよな!?やっぱおかしいんじゃねーかここ!?!?
俺も意味がさっぱりわからねーよ……
マジどういう事!?俺ら仕事してた時は誰もいなかったぞ!?
違う公園……?なわけねーか……間違いなく同じだな……
気味悪いわ……
とりあえず子どもたちがいっぱいいて気は紛れるから良かったんじゃねーか?
それだけが救いか……
再び私とAは仕事を始めた。そして、特に何もなく最後まで終わらせる事が出来た。私たちは逃げるようにその公園を後にした。
やっぱり腑に落ちねーなー……
まぁ子どもの言った事だ。朝って言っても俺らが昼飯を食べに行った後に来たかもしれねーぞ?
そうだな(笑)
子どもが言った事だから二人は気にし過ぎだと思う事にした。会社に戻り、二人は日報を書いて退社する。
ほんじゃお疲れー!!!
おう!!お疲れ!!!!
そこでAはちょっと意味が分からない事を言った。
お前……何かあっても耐えろよ……
は?意味が分からんわ
いや……やっぱ何でもない……
そんな事より昼飯代は!?!?
分かってるっつーの!!!まだ自分の車まで行ってねーだろって!!!!
私はAから昼飯代をもらってその日は解散した。家に帰ってボーッとしている時にNさんから電話があった。
お疲れ!!!ちょっといいか!!!
お疲れっす!!どうしたんですか!?!?
Aが仕事帰りに事故った!!!
え!!!!!!
お前たち、例のあそこに行ったんだよな!?そこで何かなかったか!?
俺らが着いた時には誰もいなくて静まり返ってました。だけど近くのラーメン屋の店主の人にいろいろ話を聞いて、いつも賑わっているって。だから変だなーとは思ったんです。食い違いがあるっていうか。
…………………………………………
俺は……そこの現場はもう外してもらうように上と掛け合ってみる……
Nさん……あそこ何なんですか!?話してほしいです……
・・・・・・・・
お前らと同じような事を言った人が昔いたんだよ。あそこの公園おかしくないか?って。たぶんだけど同じような状況だったんじゃないか?
あそこは確かに異様な感じはしました。
その人も帰りに事故を起こしてな……
その人どうなったんですか?
後遺症が残って今は歩けないらしい……
!?!?!?!?!?!?
じゃあAは!!!!
落ち着け!!!まだ決まったわけじゃない!!!
だけど……
こうは言いたくないけど……
・・・・・・・・・・・・
お前もホントに気を付けてほしい……
ちょっちょっと!!!!何を気を付ければいいんすか!!!!
とにかく家から一歩も今は出るな!!!いいな!!!
何かに狙われている、そんな感じがした。家から出なければ大丈夫なのか!?そんな事よりもAは!?!?私は言われた通り家でじっとしている事にした。
あ!!!そうだ!!!
気休めぐらいとは思ったが、玄関、部屋の前、窓と盛り塩をした。効果があるなんて分からないけど、こんな事ぐらいしか出来なかった。
時刻は深夜を回った。今の所何もない。寝れないままテレビを見ながら過ごしていた。
その時
ものすごい壁ドンが私の部屋を襲った。明らかに誰かが一発、壁の向こうから思いっきり拳で殴ったような音だった。
しかし、隣は風呂場と脱衣所であり、もし殴るとしたら家の人間以外あり得ないのだ。時刻は深夜のため、家の者たちは寝ている。それよりも家の者が壁を思いっきり殴る事があり得ない。
私は脱衣所の方のドアを開けようとした。だけど開けちゃいけない気がして何もしなかった。
その一発の物凄い音のみで、それ以降は何も無い。
次の日、私は家の者に物凄く怒られた。深夜にドタバタやるんじゃないと。そして、家の者もその音に気付いていた。
今思えばあの音はどこか「クソ!!!」という悔しい気持ちの表れのようにも感じた。盛り塩が効いたか?それからは私は特に何も無いし、Aもしばらく療養をした後に現場へ復帰している。
私たちを襲ったのは何かは分からないが、一発はデカいけど持続力は無く、それだけという存在のようだ。
後にAと私はこの存在を「虚勢だけの一発屋」と呼んで嘲笑った。
もしかしたら、その公園にはずっと昔におぞましい出来事があったのかもしれない。
今、その場所をグーグルマップで見るとただの空き地になっている。どういう理由で空き地になったかは分からないが、その方がいいだろう。マンションなんかも無くなっていたため、その近辺に住んでいる人は誰もいない。
事実上の封印という事か……
完
まぁ……実際の話では壁ドンに相当イライラしていました。
仕事した後なので、眠いし、明日も仕事はあるし、私にとっては睡眠妨害をされたようなもの。Aはもっと頭に来てました。そりゃ車がダメになっちゃいましたからね。今思うと運転を誤って事故を起こしたのでは?と思ってしまう所ではあるが……
事実は実際どうなのか分かりませんが、そこで仕事をした人たちに何かしら変な事が起きたのは間違いないです。
Aが「何があっても耐えろよ」と言っていましたが、もしかしたら何かあるかもと感づいていたのかもしれませんね。
では、ニャ菓子怪談は以上になります。
ありがとうございました。
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