深夜のニャ菓子怪談 

こんにちは、ショショウです。

ただいま午前3時です。なんでこんな早く起きているのかというと、おはぎに起こされました。スリスリやられるとものすごく暑い!!!隣の部屋にポイッと移動させてもまたやってくる。もはや地縛霊級。

という事で、今日はニャ菓子怪談です。

私は水道関係の仕事をやっていた時がありました。修理ではなく、漏水を調べる仕事です。この仕事は基本的に日中行われるのですが、夜間にやる事もあります。音で漏水を調べるため、道路に埋まっている水道管は日中の車や電車が多い時間帯では調べる事が出来ないんです。そのため、深夜の交通量が少ない時間に行います。

以前、同じ仕事中に起きた事をニャ菓子怪談で書きましたが、今回はそれとは違う別エピソードです。

では、いきましょう。

 

「止まらず歩け」

あの日もちょうど今ぐらいの時間でしたかね。夏一歩手前の少し蒸し暑い時期。その日も夜勤で夜9時ぐらいから現場に向かって仕事をしていました。上司と私のペアで先頭を上司が歩き、見落としを避けるために後方を私が歩きました。

この仕事をする時はあるルールがあります。声を出さない事です。単純に深夜に行うという環境なので、近隣住民の人に迷惑をかけないようにするという会社側の配慮です。そのため、先頭を歩く人間に何かを知らせる際は懐中電灯の光で合図を送って知らせます。車が後ろから来ている時は懐中電灯を横に3回ぐらい振って車が通るという合図を送ったり、歩くのをストップさせたい時はずっと前を歩く人間を照らすなど。

以下、上司→オレンジ ショショウ→

さてと、今日もちゃっちゃとやっちまおう。

今日どの辺歩きます?

そうだなー……中心街付近の道路かなー

あー……あの辺車多いからちょっと危なそうですね。

殿は頼むぜ!!!ショショウ君に命預けたから!!!

大袈裟過ぎじゃないですか?(笑)

これが大袈裟でもないんだわ。接触事故は実際には起こってないけど、轢かれそうになった事はある。何か水道管に異常があった時は俺達しゃがむだろ?ドライバーからだとそれが見えないらしいんだ。ましてや深夜にそんな作業しているなんて大体の人は思わないからな。

確かに。

というわけで気を引き締めてやるぞ。

了解っす。

いつも交わすような少し楽観的な会話がその日も車中で続いた。これから何時間も会話が出来なくなるから二人ともよく喋る。

現場に到着。

機材を体に付けて現場の調査に入る。思っていたよりも車の行き来が激しかった。国道沿いだから無理もない。いつもよりも懐中電灯を振る回数が多かった。

(車が多くて作業が進まないなー……)

(ん?また車だ。)

懐中電灯を横に振る。上司は手で了解を示した合図をこちらに送る。

(深夜なのに歩行者もそこそこいるんだな。

(そりゃ街中だからいるか)

(にしてもあの人はさっきから何してるんだ?)

そこにはずっと下を向いた女性が。まぁ飲み過ぎて気分が悪いだけだろうなと思った。居酒屋だらけだし。そのまま気にしないで作業を続行。

(だいぶ歩いたな。そろそろ休憩かね)

時計を確認して休憩の時間を過ぎていたので上司を懐中電灯でずっと照らしてストップの合図を送る。しかし、上司はこちらに手の平を向けてノーの合図。

(え!?このまま続行!?マジかよ…)

しかし、ずっと歩き続けて上司もクタクタのはず。普段、休憩時間はしっかり取らないと仕事に支障出るぞと言うような人だから取らないなんて変だなと思った。私は何か理由があるのか走って聞きに行った。

〇〇さん休憩時間過ぎてますよ。

今日はもうちょっとで終わりだからこのまま最後まで行こうか。

そうですか。でも、地図を見るとあと3時間は歩きますよ?

ま、いいからいいから(笑)

何かがおかしい。ルールや時間に厳しい人がこんなテキトーなやり方をするだろうか?しかし、そう言うからには従うしかなかった。異変はまだまだ起きる。上司が予定していた進路から外れた。再びストップをかける。しかし、手をその進路の方向に向けてGOサインをこちらに送る。

(一体どこに行くんだ?)

(というかこのルートだと元の位置に戻るぞ?)

(作業が終わるにはまだ全然早いしどうなってんの?)

ずっとおかしいなと思ってはいたが、ひたすら元の位置に向かうルートを歩いた。釈然としないまま。

そして、元の位置であるスタート地点へ。

早く機材類外して車に乗っちゃって

了解(え?マジで終わりなん?)

車に乗ると上司はすぐに車を走らせた。

〇〇さんいいんですか?予定の半分ぐらいしか終わってないし別日に今日の予定組み込まないといけなくなりますよ。

やむを得ずだな。まぁこういう日もある。

何かあったんですか?急に進路変えて元の位置に戻っちゃうし。

これには上司が少し驚いた表情を見せた。

気が付かなかった?

え?

途中ずっとうつむいていた女の人いたでしょ?

あーいましたいました!!たぶん飲み過ぎて気持ち悪かったんでしょうね。

あれさーずっと後ろから来てたぞ。気が付いたのはショショウ君が休憩の時間を懐中電灯で知らせた時だな。俺もさービックリしたよ。あの女の人を見た場所から結構歩いたのに後ろにいたんだもん。

マジですか……?気が付かなかった……

そんでね、どうにかしなきゃまずいなと思って、女の人に気付かれたくなかったから休憩を無しにしたってわけ。その時ににこやかな雰囲気にしたのは悟られないためのごまかしだよ。

なるほど。いやー〇〇さんどうしちゃったんだろって思いましたよ(笑)そんであの人はどこでいなくなったんだろ?

さぁ、気が付いた時にはもういなかったよ。実はさー事前に役所の人から聞いてはいたんだよ。あの辺はいろいろと気を付けてくださいって。先に言っといた方が良かった?(笑)

いや、後に聞いて正解です(笑)

そうだろ(笑)まぁだいたいの主要部分は終わったし残りの部分は日中でも大丈夫だろ。

あれは何だったんでしょう?

まぁ変質者だろうな。深夜ってのはこういうのがあるから怖いんだ。ある意味いい体験したんじゃないか?(笑)

もう勘弁です(笑)

後日、現場近辺で若い女が男性を襲うという事件が起きた事を知った(襲われたのは上司ではない)あの人物かどうかはわからないが、少なからず誰かがずっと付いて来ていたという事実は変わらない。霊なんかよりも生きた人間の方がずっと怖い。そう思った出来事だった。

という事で、ちょっといつもとは違うニャ菓子怪談でした。なんか霊関係よりもこっちの方が書いてて鳥肌立ちました( ;´Д`)

出来れば深夜に外を歩くのは避けたいですね。

 

誰かがずっと見ているかもしれませんよ。

では、今日はおしまいです。

次回もよろしくお願いします。

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